環日本海地域の社会環境データベース
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北東アジア地域自治体連合環境分科委員会の紹介
北東アジア地域自治体連合及び環境分科委員会の概要 環境分科委員会の開催概要 環境分科委員会のプロジェクト
日本
地方行政制度
 日本は47の都道府県(1道1都2府43県)で構成され、都道府県には国の行政等に関する権限の一部が委譲されています。さらに、都道府県は市町村に行政区分され、都道府県の権限の一部は市町村へと委譲されています(地方分権化)。これにより、地域住民はより住民生活と密接した行政サービスを受けることが可能となり、自治体レベルでは、それぞれがそれぞれに地域の個性を生かしたまちづくりを進めていくことが可能となってきています。なお、市、町、村の区別は人口等一定の要件で区分され、中でも、次のように比較的規模の大きな都市については、より効率的な行政運営と地域行政の充実を図るため、都道府県の権限がある程度まで委譲されています。
政令指定都市
政令で指定する人口50万人以上の市。一般の市とは異なる行政制度や財政制度上の特例により、市民生活に関わりの深い事務や権限を都道府県から移譲されています。2000年現在、札幌市、仙台市、千葉市、川崎市、横浜市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、広島市、北九州市、福岡市の12市が指定を受けています。
中核市
人口30万人以上で、人口が50万人未満の市は面積100km2以上の市。2000年現在、30市が指定を受けており、日本海側では秋田市や新潟市、富山市、金沢市が該当します。
特例市
政令で指定する人口20万人以上の市。2000年現在、37市が指定を受けています。
中国
地方行政制度
 中国の行政区画は、憲法上、ふつうは省級、県級、郷級の3級制をとるとされていますが、実際には、省級と県級の間にもう一つ地区級という級が増設された4級制がとられています(図 3-2-12)。ただし、中国の地方行政は日本のような地方自治ではなく、中央人民政府(国務院)に統括される行政の一部を地域ごとに分担するシステムとなっており、各級政府(地方各級人民政府)は同級の人代(地方各級人民代表大会)及び一級上の人民政府に対する責任を負うものとされています(なお、少数民族が集中して居住する地域では、民族区域自治が実施されています)。
省級地方
 省級地方には4つの「直轄市」と22の「省」(台湾省を除く)、5つの「自治区」及び2つの「特別行政区」があり、特別行政区を除き、各行政区には権力機関である地方人民代表大会、行政機関である地方人民政府が設置されています。一方、1997年7月の返還に伴い成立した香港、1999年12月の返還に伴い成立したマカオの2つの特別行政区については、中央人民政府が直轄しています。
中国の省級地方
直轄市
北京、天津、上海、重慶
江蘇、広東、甘粛、浙江、青海、河北、安徽、海南、山西、福建、四川、
江西、遼寧、山東、貴州、吉林、河南、雲南、黒竜江、湖北、湖南、陝西
自治区 広西壮族、寧夏回族、新疆ウイグル、内蒙古、西藏(チベット)
特別行政区 香港、マカオ
地区級地方
 省級地方の一級下のレベルである地区級地方には、「地区(地方政府ではなく、省・自治区の出先機関)」、「地区級市(地級市)」のほか、「自治州」、「盟(内モンゴル)」があり、直轄市の管轄下にある区(市轄区)も第2級相当とみなされます。また、地級市の中でも有力な市は「計画単列都市」とされ、経済管理上省級地方に相当する権限が与えられています。なお、計画単列都市という名称は、経済及び社会発展の諸項目について省の計画から独立し、単独で全国計画に編入されることに由来します。
県級地方
地区級地方の一級下のレベルである県級地方には、「県」、「自治県」、「県級市(市轄区や県を管理しない)」、地区級市が管轄する「区」のほか、内モンゴルの「旗」や「自治旗」、貴州省の「特区(鉱山区政府と鉱業企業が合一したもの)」、湖北省神農架の「林区」があります。なお、中国の県は日本の県よりずっと規模が小さく、日本の郡ぐらいの規模となっています。直轄市及び地区級市の下に設置される区が都市における末端行政区域ではあるものの、実際には出先機関である「街道弁事処」がこの下に設置され、これが実質的な末端行政機関となっています。さらに、街道弁事処の下に「居民委員会」という組織もありますが、これは住民により構成される自治組織であって、地方人民政府ではありません。
郷級地方
農村地域における末端の地方であるには郷級地方には、「郷(農業人口が多い)」、「鎮(非農業人口が多い)」、「民族郷」があります。郷、鎮はそれぞれ日本の村と町に相当します。また、郷の下にも住民により構成される「村民委員会」という自治組織が設置されています。
韓国
地方行政制度
 韓国では、中央政府の管轄の下に「道(ド)」、「特別市(トゥクピョルシ)」、「広域市(クァンヨクシ)」がおかれ、これが地方自治の大きな単位となっています。さらに、「道」、「特別市」、「広域市」の下には、より小さな地方自治の単位である「市(シ)」、「郡(クン)」、「区(自治区)(ク)」などがおかれています。

朝鮮半島における古くからの地方区分の単位で、日本の都道府県にほぼ相当し、現在、京畿道(Kyonggi-do province)、江原道(Kangwon-do province)、忠清北道(Chungchongbuk-do province)、忠清南道(Chungchongnam-do province)、全羅北道(Chollabuk-do province)、全羅南道(Chollanam-do province)、慶尚北道(Kyongsangbuk-do province)、慶尚南道(Kyongsangnam-do province)、済州道(Cheju-do province)の9道が設けられています。
特別市
首都ソウル(Seoul)の自治体としての地位を「道」並に扱うことを示した呼称。ソウルは1946年に「特別自由市」として京畿道から分離し、1949年からは現在の「特別市」に落ち着いています。
広域市
主要都市について、その自治体としての地位を「道」並に扱うことを示した呼称。1995年に地方自治制度の改革によって「広域市」という呼称ができるまでは、「直轄市」と称されていました。現在、韓国には、釜山(Busan)、大邱(Taegu)、仁川(Inchon)、光州(Kwangju)、大田(Taejon)、蔚山(Ulsan)の6広域市が設けられています。

日本の市にほぼ相当し、「道」の管轄下におかれた自治体。人口5万人が「市」への昇格の目安とされ、古くは「府」という呼称が用いられていましたが、1949年より現在の「市」が用いられるようになりました。また、「広域市」には至らないものの、人口が50万人を超えるような大規模な「市」には、自治区ではない「区(行政区)」がおかれるようになっており、現在、水原市、城南市、安養市、富川市、高陽市、清州市、全州市、浦項市、馬山市の9市に「区(行政区)」が設けられています。さらに、1995年の地方自治制度の改革によって新たに「市」として認められるようになった「都市農複合形態の市」の場合には、従来からの「市」とは異なり、「市」の範疇に「邑(ウプ)」や「面(ミョン)」が含まれていることが多い。

日本の郡にほぼ相当し、「道」または「広域市」の管轄下におかれています。
区(自治区)
日本の(東京の)特別区にほぼ相当し、「特別市」または「広域市」の管轄下におかれています。
区(行政区)
「広域市」には至らない大規模な「市」の下におかれる行政区画。同様に、「市」、「郡」、「区(自治区/行政区)」の下には、「邑」、「面」、「洞(トン)」という行政区画がおかれ、また、「邑」、「面」の下には「里(ニ)」という行政区画がおかれています。

日本の自治体としての町にほぼ相当し、「郡」、「都市農複合形態の市」の下におかれる行政区画。原則、人口2万人以上が「邑」をおく条件とされていますが、それに至らなくても、郡事務所の所在地である場合や、「都市農複合形態の市」で市内に「邑」が一つも無い場合には、「邑」への昇格が認められています。

日本の自治体としての村にほぼ相当し、「郡」、「都市農複合形態の市」の下におかれています。

「特別市」や「広域市」の「区(自治区)」、または「市」の下におかれています。

村落を基準にする行政区画の最小単位で、日本の大字〜字に相当し、「邑」、「面」の下におかれています。
ロシア
地方行政制度
 ロシアは89の地方単位で構成され、それらは“等しい権利を有する連邦の主体”という意味を込めて“連邦構成主体”と呼ばれ、次のように分類されています。
連邦構成主体の概要
連邦構成主体
各連邦構成主体の概要
共和国(21) 人口の大半が特定の少数民族からなる連邦構成主体
地方(クライ)(6) 面積の広い構成主体
州(49) 地方より小規模の構成主体
自治管区(10) 地方や州に属し(属していた)、特定の少数民族を中心とする構成主体
自治州(1) 特定の少数民族からなる構成主体
特別市(2) モスクワ、サンクト・ペテルブルグの2市
注)()内は各連邦構成主体の数。
 これら連邦構成主体は地方自治体ではなく、その行政区域内において連邦権力と共同、あるいは単独で国家権力の全権を行使することができるとされています。しかし、その権限には不明確な点も多く、一部が強大な権限を発揮し始めるなど各構成主体間の権限の範囲に差異が生じてきたこともあり、2000年5月、プーチン大統領は大統領令により7つの連邦管区を創設し、各連邦管区には大統領直属の全権代表を置くことで構成主体政府の監督と職務の調整を図り、地方への統制を強化しています。
7つの連邦管区
連邦管区
中心都市 連邦構成主体
中央連邦管区(18) モスクワ モスクワ市など
北西連邦管区(11) サンクト・ペテルブルグ サンクト・ペテルブルグ市など
南連邦管区(13) ロストフ・ナ・ダヌ ロストフ州など
沿ボルガ連邦管区(15) ニジニノブゴロド バシコルトスタン共和国など
ウラル連邦管区(6) エカテリンブルグ クルガン州など
シベリア連邦管区(16) ノボシビルスク アルタイ共和国など
極東連邦管区(10) ハバロフスク 沿海地方、ハバロフスク地方、サハリン州など
注)()内は連邦構成主体の数。
一方、今日のロシアで地方自治体と呼ばれるのは連邦構成主体のもとにある地区、市、町、村で、その数およそ3万を数えます。その権限は、1995年の地方自治法により定められ、国家権力を行使する連邦や連邦構成主体とは明確に区別された市民による地方自治を体現する機構として位置づけられています。
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