環日本海地域の社会環境データベース
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北東アジア地域自治体連合環境分科委員会の紹介
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 中国における環日本海地域とは、黒竜江(アムール川)流域に属する地域と黄海に隣接する地域、もしくは、隣接はしていなくとも黄海流入河川の河川流域に属する地域が対象となりますが、その主たるは東北部と華北地域です。
 東北部は、黒竜江省、吉林省、遼寧省の三省(東北三省)からなり、南北幅1,750km、東西幅1,260kmの面積規模78.7万km2は中国国土全体(960km2)の約8.2%にあたりますが、その面積は日本の約2倍、朝鮮半島の約3.5倍に相当します。また、人口も全国の約8%を占めるほか、GDP比率は全国の10%ほどなので、産業化の比較的進んだ地域だといえます。
 同地域は北側と東側ではロシアと、また南側では北朝鮮とそれぞれ国境を接し、のべ7,500kmの国境線に囲まれています。そのうち3分の2が河川によるものであり、いわば自然国境線です。ロシアとは黒龍江、ウスリー川をはさんで対岸のチタ州、ハバロフスク地方、沿海地方と、他方の北朝鮮とは図們江(豆満江)と鴨緑江をはさんで対岸の咸境北道、両江道、慈江道、平安北道とそれぞれ隣接しています。南下すると渤海に面し、その海岸線は2,178kmで、中国の海岸線全体の約12%を占めています。
 同地域は平地が広く存在し肥えた土壌で水系も発達しているので食糧生産に適し、三江平原(松花江、黒龍江、ウスリー江三大河川の合流地帯)を中心に中国の主要な穀倉地帯の一つに数えられています。また、水資源も豊富で、上記の三江のほか、遼河(1,390km)、嫩江(1,150km)、牡丹江(880km)、鴨緑江(790km)、図們江(520km)など大きな河川が縦横に拡散し、渤海と日本海に流れ込んでいます。多岐に広がる支流から広範な流域を形成し、農業灌漑や水力発電、河川輸送、そして工業用水などの面で重要な役割を演じ、自然条件の豊かさを表しています。
 一方、森林資源も豊富で、森林面積は東北地域全体の約3〜4割を占め、全国平均(13.9%)の約3倍でありますが、とりわけ、吉林省(42.1%)と黒龍江省(42.0%)の割合は高く、遼寧省(31.0%)も全国に比べて高い。中でも全長1,200km、幅2〜300kmにもおよぶ大興安嶺の大部分は標高1,100〜1,400mの亜寒帯の針葉樹林(タイガ)であり、パルプや木材などの供給地として林業開発も進められています。他方では、地下資源として石炭、石油、鉄、銅、硼、鉛、亜鉛や非鉄金属などの埋蔵量が多く、とりわけ石炭、石油の産出量は全国の中でトップの地位にあります。
 西の内蒙古との間に大興安嶺山脈、北のロシアとの間に小興安嶺山脈、東南の北朝鮮との間に長白山脈がそれぞれ走り、これらに三方を囲まれた東北平原と呼ばれる平野部は大豆、トウモロコシなどの穀倉地帯になっています。ここにT字型に走る旧東清鉄道・満鉄線にそって、チチハル、ハルビン、牡丹江、長春、瀋陽、大連といった主要都市が連なり、人口の大部分はこの平野部に住んでいます。
 華北地域は北京市と天津市を含み、西には太行山脈が連なり、その山脈から東に向うにつれて高度が低くなり、地域の東端は渤海に面しています。したがって、地域全体の地形は西から東に向かって緩やかに傾斜し、山地・丘陵地・洪積台地・沖積平野などの地形が規則的に配列されています。沖積平野は地域全体の約40%を占め、そこでは食料作物・油料作物・野菜などが盛んに栽培されています。一方、低位山地や丘陵は起伏が緩やかで、斜面の多くが南向きで日照条件が良好であるため、果樹栽培に適しています。高位山地になると、森林が卓越するようになり、林業が発達しています。また、華北地域の気候条件は小麦・トウモロコシ・アワ・落花生・コウリャンなどの栽培に適し、平野では小麦とトウモロコシの輪作が年2作ないし2年3作で行われています。他方、山間部は気温が比較的低く、無霜期間も短いので、作物栽培は年1作で行われています。年降水量は比較的多いが、その約70%が夏季に集中しています。そのため、春小麦や春播き作物の栽培は灌漑に多く依存しています。しかし、近年の都市化や工業化の進展により、農業用水は工業用水や生活用水と競合するようになり、灌漑農地の拡大は停滞しています。
 中国は多民族国家です。いわゆる中国語(漢語)は、人口の90%を占める漢族の言葉であり、中国全土にはそれ以外の言語を話し独特の衣食住の様式や宗教、文学、芸術、習俗などを持つ少数民族が多数居住しています。なお、漢族自体も、もともとは複合民族だとも言われています。中華民国時代には、漢、満、蒙古(モンゴル)、回、蔵(チベット)の「五族」以外は公式に認識されておらず、解放後3度にわたって民族学者らによる詳細な調査が行われ、55の少数民族が識別されました。人口の多い順に荘(チワン)族の1,550万人、満族の980万人、回族の860万人、苗(ミャオ)族の740万人、ウイグル族の720万人と続き、最も人口の少ない民族はわずか数千人です。
 少数民族の居住地域は大陸の西南・西北・東北の辺境地に多く、気候の変化が激しく可耕地の少ない土地に集中しています。
 
 北京官話を基にした普通話(プートンホワ)が中国語として、共通語になっています。 広大な国土のため地方の広東語や上海語、四川語など多数ありますが、話す際は互いにほとんど通じません(ただし、文字で書けば通じます)。ほかに、チベット語、ウイグル語、モンゴル語が公用語となっています。中国の紙幣には、それぞれの公用語が印刷されています。
 使用文字の漢字には、昔からの正式の漢字である繁体字よりも、民衆の間で書きやすくし画数を減らした簡体字が普及しており、正式の文字として取り入れられています。
 宗教に関しては、信仰の自由が憲法で認められており、仏教、道教、イスラム教、キリスト教などが信仰されていますが、中国全土の59%が無宗教です。
 政治的には、社会主義共和国の体制をとっています。行政上は4直轄市、23省(台湾省を含む場合)、5自治区からなります。省の下には市、県という単位があります。直轄市は、北京市、天津市、上海市、重慶の4市で、省と同じ扱いの大きな行政単位です。
 国の代表者は国家主席、行政の代表者は首相、国を指導する共産党の最高責任者は共産党総書記です。
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