環日本海の環境保全に向けた調査研究
環境保全に関する調査研究の概要
北西太平洋及びその周辺海域の海洋環境保全を的確に進めるためには、実態の把握や汚染のメカニズム等に関する調査研究を実施するなど、正確で広範な科学的知見を得ることが必要です。
このため、沿岸の各国・地域の調査研究機関等の協力も得ながら、各種の調査研究を実施しています。

環境保全に関する調査研究の活動内容
1.富山湾プロジェクトの推進(2004年度〜)
衛星リモートセンシングによる沿岸環境評価手法の開発に向けて、富山湾をモデル海域として、水質汚濁に係る現場データ及び衛星データを取得、解析を行う「富山湾プロジェクト」を実施しています。また、富栄養化状況評価手順書の改良のための調査研究を行っています。

2.衛星リモートセンシングによる藻場マッピングの実施(2011年度〜)
東日本大震災により被害を受けた宮城県沿岸域の藻場の復元を支援するため、2011〜2013年度に衛星リモートセンシングによる震災前後の藻場マップの作成に取り組みました。2012年度からは、富山湾においても、藻場分布の把握のための調査を実施しています。

3.衛星リモートセンシングデータの提供(2002年度〜)
環境省がNOWPAPの活動を推進する目的で設置した「環日本海海洋環境ウォッチシステム」により、人工衛星によるリモートセンシングで取得・解析したNOWPAP地域のクロロフィルa濃度(植物プランクトン濃度の指標)、海表面水温等のデータをホームページ上にて提供しています。
詳細は「環日本海海洋環境ウォッチシステム」をご覧ください。
4.海洋ごみモニタリング調査
北西太平洋沿岸の漂着ごみの実態を把握するため、日本、中国、韓国及びロシアの地方自治体やNGO等の参加を得て、統一的な手法による国際共同調査を実施しています。
詳細は「海洋ごみポータルサイト」をご覧ください。

5.海岸生物・海洋指標生物共同調査
現在、地球上の生物は過去に比べて100〜1,000倍のスピードで絶滅しているといわれています。このため、世界規模での生物多様性の保全が強く求められています。
こういった中、海の生物の多様性に関しては、陸域に比べて極めて情報が少ないのが現状です。そこで、身近な海岸に生息する生物に関する情報を各地で収集し、環日本海地域の海洋生物の分布状況を調べるために、2016年度から共同調査を実施することとなりました。
海の生物やその観察方法については、「日本海海岸生物ウェブサイト」をご覧ください。