公益財団法人 環日本海環境協力センター NPECは、日本海及び黄海における海洋環境保全に寄与することを目的に活動しています。

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北東アジア地域自治体連合・第7回環境分科委員会の開催

 北東アジア地域自治体連合環境分科委員会の会員自治体が実施している各提案プロジェクトの実施結果や進捗状況について報告するとともに、今後の北東アジア地域の国際環境協力事業の推進方策について検討しました。
今回は、海外の6自治体及び日本の2自治体から「各自治体における環境の現状と課題」について報告され、また、この報告に基づいて意見が交わされ、北東アジア地域の環境の現状等について、参加自治体が相互に理解を深め、共通の認識を持つことができました。さらに、個別プロジェクトの実施・提案状況等についても熱心に意見が交わされ、北東アジア地域の環境保全を推進するため、引き続き、個別プロジェクトの積極的な提案と実施が重要であるという認識を共有しました。
なお、今回の会議では、当委員会の事務局の改選が行われ、富山県が引き続き選出されました。
1. 開催日
  2005年7月14日(木)
2. 場所
  オークスカナルパークホテル富山(富山市)
3. 主催
  富山県、北東アジア地域自治体連合
4. 参加自治体(5か国 14自治体)
  日  本(4)  新潟県、富山県、石川県、兵庫県
モンゴル(1)  セレンゲ県
韓  国(3)  江原道、忠清南道
ロ シ ア(1)  沿海地方、ハバロフスク地方、サハリン州
〈オブザーバー〉
中  国(3)  遼寧省、黒龍江省、山東省
韓  国(1)  慶尚北道
環境省(日本)  地球環境局 渡邊 環境協力室長補佐
5. 会議内容
 
(1) 報告事項
ア 各自治体における環境の現状と課題について
7自治体(セレンゲ県、ハバロフスク地方、サハリン州、兵庫県、黒龍江省、山東省、慶尚北道)から、環境の現状と課題について報告があり、北東アジア地域の環境の現状等について、参加自治体が相互に理解を深め、共通の認識を得ました。
・ セレンゲ県(森林の喪失による自然環境の変化及びその対策)
・ ハバロフスク地方(アムール川の水質汚濁対策、都市部の大気汚染対策、コウノトリの保護、自然保護区域の管理)
・ サハリン州(水質汚濁対策、有害廃棄物の適正処理、天然資源・自然保護区域の管理)
・ 兵庫県(環境創生5%システム、ディーゼル自動車の運行規制)
・ 黒龍江省(松花江流域等の水質汚濁の現状と対策)
・ 山東省(大気汚染の現状、モニタリングシステムの運用、大気汚染対策)
・ 慶尚北道(休廃止鉱山からの付近住民への重金属汚染の調査)
イ 2005年個別プロジェクトの実施状況
各自治体から、5つのプロジェクトの実施状況について報告がありました。
・ 日本沿岸の油汚染の現状評価(沿岸地方)
日本海の沿岸地域の土壌の油汚染に関する調査。参加自治体数が少ないため、実施中止。
・ 北東アジア地域環境保護国際ユースシンポジウム(沿海地方)
北東アジア地域の環境保護及び天然資源の合理的な利用に関するシンポジウム。2005年9月にロシア・ウラジオストク市で開催予定。
・ 日本海・黄海沿岸の海辺の漂着物調査(富山県)
日本海及び黄海沿岸の漂着物の実態調査及び沿岸住民等への普及啓発を目的とする調査。2005年も引き続き実施予定。
・ 北東アジア地域との渡り鳥に関する共同調査(富山県)
極東地域における渡り鳥に関する共同調査。2005年も引き続き実施予定。
・ 北東アジア青少年環境シンポジウム(遼寧省、富山県)
北東アジア地域の青少年(中学生)の参加による環境シンポジウム。2005年8月に中国遼寧省において、「循環型社会の構築」をテーマに開催予定。
(2) 協議事項
ア 次期コーディネート自治体の選出
北東アジア自治体連合環境分科委員会のコーディネート自治体として、引続き富山県が選出されました。(任期:2年、1999年7月以降4期連続)
イ 2006年個別プロジェクトの提案状況
各自治体から、4つのプロジェクトが提案され、その概要説明と参加要請がなされました。
(新規プロジェクト)
・ 日本海における海底地形及底生生物群集の生物多様性と分布の調査(沿海地方)
海洋生物多様性の保全対策等に資するための日本海の海底地形及び多様性調査のための底生生物群集の分布等に関する調査について
(継続プロジェクト)
・ 日本海・黄海沿岸の海辺の漂着物調査(富山県)
・ 北東アジア地域との渡り鳥に関する共同調査(富山県)
・ 北東アジア青少年環境シンポジウム(富山県)
ウ 環境分科委員会の活動計画
環境分科委員会の今後の活動計画について確認がなされました。