第1回NOWPAP ワーキンググループ3(HAB)会議の開催
(財)環日本海環境協力センター(NPEC)は、国連環境計画の「北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP)」の特殊モニタリング及び沿岸環境評価を担当する地域活動センター(CEARAC)に指定されています。HAB(有害藻類の異常繁殖)はCEARACの当面の優先課題に位置づけられており、HABに関する活動を実施するためのNOWPAPワーキンググループ3がCEARACの責任の下に設置され、その第1回会議が開催されました。 |
1. | 日時 | |
2003(平成15)年10月28日(火)〜30日(木) | ||
2. | 場所 | |
大韓民国 釜山広域市 ヘウンデグランドホテル 会議室 | ||
3. | 参加者 | |
中国、韓国、ロシア、日本のHAB専門家など、約20名が参加しました。 | ||
4. | 会議内容 | |
(1) NOWPAP地域におけるHABに関する取組みの紹介 韓国国立水産科学院のKIM HakGyoon海洋環境部長より韓国沿岸におけるHABの現状とその対策が紹介されました。この中で韓国におけるHABの漁業への被害の推移や韓国の赤潮警報システムについて説明されました。 松田治広島大学名誉教授は、瀬戸内海における赤潮に関する研究につい紹介し、この中でCOD(化学的酸素要求量)負荷量の規制が富栄養化レベルおよびHABの発生の削減に深く関係することが説明されました。 また、福代康夫東京大学教授は、IOC(ユネスコ政府間海洋学委員会)、PICES(北太平洋海洋科学機関)など、他の国際機関によるHABに関連した活動について紹介しました。 |
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(2) ワーキンググループ3の付託事項 ワーキンググループ3の目的・責務や運営規則を定める「付託事項」について討議し、若干の修正意見を取り入れて最終稿を採択しました。この最終稿は、2004(平成16)年3月に開催される第2回CEARACフォーカルポイント会議に提出され、承認を得る予定です。 |
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(3) ワーキンググループの活動計画 ワーキンググループ3の当面の活動内容として以下の事項が合意されました。 ●NOWPAP地域におけるHABデータベースの構築 HABに関する学術論文や研究報告等の二次データで構成されるデータベースを構築し、ワーキンググループ内で情報を共有します。また、そこから得られる情報・データをもとに、富栄養化と赤潮発生頻度の関係、NOWPAP地域における特定種の発生状況などについて解析し、その結果を今後のHAB対策に役立つ情報として発信します。 ●HABに関する国別報告書、及び国別報告書をまとめた統合報告書の作成 メンバー国(中国、日本、韓国、ロシア)のHABに関する情報を報告書にまとめ、隔年発行します。 ●ホームページ及びニュースレターを用いた情報普及 CEARACのホームページ及びニュースレターにより、HABに関する情報、ワーキンググループ3の活動結果などについて情報を発信します。 |
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(4) 2004/05年の活動計画 ワーキンググループ3の2004年及び2005年の具体的な活動計画が合意されました。 また、第2回ワーキンググループ3会議を2004年秋に中国・青島(予定)で開催することが合意されました。 |

