公益財団法人 環日本海環境協力センター NPECは、日本海及び黄海における海洋環境保全に寄与することを目的に活動しています。

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東日本大震災復興支援「志津川湾藻場再生ワークショップ」の開催結果


NPECでは、リモートセンシング技術※を活用して東日本大震災による藻場の被害状況を把握し、被災地の復興を支援するための調査事業を実施しており、その中間成果を紹介するとともに、志津川湾における漁業復興に向けて、藻場の復元・再生をどのように進めていくか、地元の方々などとともに考えていくワークショップを宮城県南三陸町において開催しました。
※ 人工衛星などを利用して離れた場所から対象を観察する技術で、広範囲を同時に観測できるなどのメリットがある。
三井物産環境基金 本事業は、平成23年度から三井物産環境基金の助成を受けて、東京大学大気海洋研究所等との共同研究により実施しています。

1. 開催日時
  平成25年1月14日(月・祝) 14:00〜17:30
2. 開催場所
  宮城県本吉郡南三陸町黒崎99-17(南三陸 ホテル観洋)
3. 主催等
  主催:(財)環日本海環境協力センター
協賛:三井物産(株)
後援:東京大学大気海洋研究所、環境省、東北マリンサイエンス拠点形成事業
協力:南三陸町、JFみやぎ志津川支所・歌津支所、NPO法人環境生態工学研究所
4. 参加者
  漁業関係者、藻場再生活動団体(NPO)、行政、一般住民等 85名
5. ワークショップタイトル
  「志津川湾の沿岸漁業復興を自然環境の変化から考えるー藻場の津波被害マップを手がかりとしてー」
6. 発表概要等
  【第一部:志津川湾の現状】
志津川湾の震災後の藻場などの被害状況について、東京大学大気海洋研究所やNPECから、地震の大津波により湾奥部の多くのエリアで砂地の底質に礫がまじり、アマモ場が消失したことが報告された。
【第二部:志津川湾の藻場の復元・再生に向けて】
環境省名倉室長から岩手県宮古湾での住民による里海復興プランの進捗状況について、また、九州大学柳教授から岡山県の瀬戸内海日生におけるアマモの再生事例について報告があり、東北地方への復興の在り方の参考事例が示された。
【パネルディスカッション】
  • 東京大学大気海洋研究所の小松准教授をモデレーターとして、各発表者及びJFみやぎ志津川支所の佐々木運営委員長並びに参加者も交え、志津川湾の藻場再生をテーマとする活発な意見交換が行われ、地域住民との意見交換がなされた。
  • NPECが作成した衛星画像による藻場復元・再生支援マップが高く評価され、今後これを用いて志津川湾の再生方策について継続的な議論が必要であることが確認された。将来の方向性について、地元漁協、地域住民、NPOから積極的な共同作業の意欲が示された。
  • 海洋環境と水産資源を持続的に活用していくためには、藻場をはじめとする浅海域の環境保全と地域住民との協働が重要な課題であることが認識された。

7. プログラム内容
【 挨 拶 】 内 容
(財)環日本海環境協力センター理事長 鈴木 基之
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東京大学大気海洋研究所副所長 木暮 一啓
環境省水・大気環境局水環境課閉鎖性海域対策室長 名倉 良雄

第一部(発表)志津川湾の現状 発表資料
震災前後の志津川湾と藻場の特徴(南三陸町産業振興課水産業振興係 太齋 彰浩)
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志津川湾の藻場分布に及ぼした津波の影響(東京大学大気海洋研究所 小松 輝久) PDF
志津川湾の岩礁藻場生態系における潜水調査による長期モニタリング(東北大学大学院 青木 優和 ――
藻場復元・再生支援マップの作成状況について((財)環日本海環境協力センター 寺内 元基) PDF

第二部(発表)志津川湾の藻場の復興・再生に向けて 発表資料
里海づくりによる閉鎖性海域の復興について(環境省水・大気環境局水環境課閉鎖性海域対策室 名倉 良雄) PDF
南三陸町における里海復興活動−里山と里海をつなぐアカモクの輪−(NPO法人環境生態工学研究所 佐々木 久雄) PDF
里海創生−アマモ場再生とカキ養殖−(九州大学応用力学研究所 柳 哲雄)
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パネルディスカッション
【志津川湾の藻場の復元・再生に向けた意見交換】
・モデレーター 小松 輝久(東京大学大気海洋研究所准教授)
・パネラー  名倉 良雄(環境省水・大気環境局水環境課閉鎖性海域対策室長)
柳 哲雄(九州大学応用力学研究所教授)
太齋 彰浩(南三陸町産業振興課技術主幹兼水産業振興係長)
佐々木憲雄(JFみやぎ志津川支所運営委員会委員長)
佐々木久雄(NPO法人環境生態工学研究所理事)
青木 優和(東北大学大学院農学研究科水圏植物生態学分野准教授)