公益財団法人 環日本海環境協力センター NPECは、日本海及び黄海における海洋環境保全に寄与することを目的に活動しています。

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第3回北西太平洋地域における海洋環境のリモートセンシングに関する国際ワークショップの開催

 NPECでは、2000年及び2002年にそれぞれ第1回及び第2回の「北西太平洋海洋環境のリモートセンシングに関する国際ワークショップ」を開催し、技術の活用事例、研究開発動向等について情報交換等を行いました。これらのワークショップの流れを継続し、リモートセンシングを活用した海洋環境モニタリング技術の発展に資するため、第3回のワークショップを開催し、各国からのリモートセンシングの活用状況及び将来動向等について報告があり、それらについて意見交換を行いました。

1. 開催日
  2004年10月11日(月)〜12日(火)
2. 場所
  北京大学カンファレンスセンター(中国北京市)
3. 主催
  (財)環日本海環境協力センター、北京大学
後援
環境省、富山県、中国国家遥感中心、中国国家衛星海洋応用センター、
中国科学院リモートセンシング応用研究所
4. 参加者
  基調講演
・東京大学 安岡教授
・北京大学 童リモートセンシング・地理情報システム研究所長
国別現状報告及び一般講演:
・日本11名、中国12名、韓国4名、ロシア3名 計30名
5. 会議内容
   10日の午前中にNPEC、北京大学、中国政府機関からの挨拶があり、続いて北京大学リモートセンシング・地理情報システム研究所 童所長、東京大学生産技術研究所 安岡教授からの基調講演がありました。
本ワークショップは、国別現状報告、衛星・センサー計画、海色リモートセンシング、海況、赤潮/HAB、海洋環境、ポスターセッションに分けられ、国別現状報告では、日本は、石坂丞二(長崎大学・水産)、中国は、Pan Delu (中国第2海洋研究所)、韓国は、Yu-Hwan Ahn (韓国海洋研究・開発研究所)、ロシアは、Leonid Mitnik (ロシア科学院極東海洋学研究所)から各国の海洋環境モニタリングの現状について報告がありました。
本ワークショップでは計30件の発表があり、これらを受けて石坂丞二(長崎大学・水産)がワークショップを総括しました。
6. 会議結果
  (1)  将来の衛星・センサー計画、海色アルゴリズム、リモートセンシング応用手法等を各国で共有し、活用すべきであるとの認識で一致した。
  (2)  将来の衛星打ち上げ計画やセンサー搭載の計画として、SGLI(日本)、GOCI(韓国)、HY-1D、HY-2(中国)、Sich-1M、Meteor-3M N2(ロシア)が予定されているとの情報が提供された。
  (3)  海色アルゴリズムの精度向上のため、Case2ウォーターアルゴリズム、クロロフィル蛍光、大気補正、CAL/VAL等を共同で開発すべきであるとの認識で一致した。
  (4)  リモートセンシング技術の応用事例としては、経年変化、気候変動の把握、赤潮/HAB、水質のモニタリング、リモートセンシングデータと数値モデルとの結合、基礎生産のモニタリング等について有用な発表があった。
  (5)  その他、リモートセンシング技術を活用した沿岸風速の計測、油流出の検出、船舶の認識、湖と陸域のモニタリング、GISシステムとの融合についても有用な発表があった。
  (6)  本ワークショップはNOWPAP地域の研究者が一同に介し、最新の研究事例や今後の方向性等について意見交換をできる場であり、今後、NOWPAP地域共同モニタリングシステムを構築する為に必要であるため、継続して開催していくことで意見が一致した。