公益財団法人 環日本海環境協力センター NPECは、日本海及び黄海における海洋環境保全に寄与することを目的に活動しています。

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第5回CEARACフォーカルポイント会合の開催

 「第5回CEARACフォーカルポイント会合」が9月18日(火)、19日(水)に富山市内で開催されました。
 本会議は、国連環境計画(UNEP)の北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP)の活動拠点の一つであるCEARAC(NPECが指定されている)の今後の活動方針を議論するための調整助言会議(フォーカルポイント会合)であり、2008〜2009年の活動計画などについて話し合われた結果、本年10月23〜25日に中国・廈門にて開催される第12回NOWPAP政府間会合に提出する活動計画が合意されました。

1. 日程
  2007(平成19)年9月18日(火)及び19日(水)
2. 場所
  タワートリプルワン(富山市牛島新町5-5) 2階会議室1
3. 出席者
   CEARACフォーカルポイント(日本、中国、韓国及びロシアの各国の政府代表者及び専門家)、他のNOWPAP地域活動センターの代表者、NOWPAP RCUコーディネーター等約20名[議長:チャンキュ・リー(韓国)、書記:ウラジミール・シュルキン(ロシア)]
4. 主な結果
  (1) CEARACの2006-2007年の活動報告(18日)
  <ワーキンググループ3(HAB(赤潮/有害藻類の異常繁殖))の活動報告>
  ・日本や韓国周辺で近年頻繁に発生し、大きな被害をもたらしているコクロディニウム(赤潮プランクトンの一種)の特徴や発生メカニズムなどについて、日本語、中国語、韓国語及びロシア語のパンフレットを作成したことが報告されました。
・2007年末に完成予定の「赤潮/有害藻類発生後の被害回避・低減のための対策事例集」の作成状況が報告されました。
  <ワーキンググループ4(リモートセンシング)の活動報告>
  ・NPECが作成した富山湾をモデルとした衛星データを用いた富栄養化モニタリングガイドラインをもとに作成されたNOWPAP各国の状況に対応した富栄養化モニタリングガイドラインの作成状況が報告されました。
・平成19年9月3日〜7日まで長崎で開催された「第1回NEAR-GOOS・NOWPAPリモートセンシングデータ解析合同トレーニングコース」開催結果が報告されました。
  <海洋ごみに関する活動>
  ・NOWPAP RCUが主導で進めているNOWPAP地域の海洋ごみに関する活動(MALITA) のもとでCEARACが担当している次の活動の進捗状況が報告されました。
  ・ NOWPAP漂着海洋ごみモニタリングガイドライン
・ 旅行者・旅行業者のためのガイドライン
・ 第2回NOWPAP海洋ごみワークショップ(2007年3月富山市)
・ 海洋ごみ削減のためのパンフレット
・ プラスチック海洋ごみのリサイクル事例集
・ 意識向上のためのモニタリング調査
  (2) 2008〜2009年のCEARACの活動計画と予算(19日)
  ・2008〜2009年の次期2か年における会合について、事務局から開催計画が示されました。
・以下の5つの新たな活動について、事務局から提案内容等の説明が行われました。
(詳細はこちら)
  ・HABケーススタディの実施(ワーキンググループ3)
・HAB統合ウェブサイトの構築(ワーキンググループ3)
・海洋環境リモートセンシングデータ活用教材の開発(ワーキンググループ4)
・第2回リモートセンシングトレーニングコースの開催(ワーキンググループ4)
・NOWPAP富栄養化評価手順書の作成(ワーキンググループ3及び4合同)
  ・出席者による議論の結果、おおむね原案どおり実施することが承認されました。
 なお、今後のCEARACフォーカルポイント会合及び両ワーキンググループ3・4会合の開催予定は次のとおりとなっています。
<CEARAC フォーカルポイント会合>
 
  開催時期 開催地
第6回 2008年3月 富山市
第7回 2009年9月 富山市

<ワーキンググループ3・4会合(合同)>
 
  開催時期 開催地
第4回 2008年夏 富山市

  (3) CEARAC中長期戦略並びにワーキンググループ3及び4の達成目標の検討(19日)
   事務局から提示した沿岸環境評価手法開発に向けたCEARACの中長期戦略並びにWG3及びWG4の達成目標案に基づいて活発な議論が行われました。
 CEARACがなすべき役割について、CEARACの責務が沿岸環境評価の地域活動であるという責務を踏まえ、CEARACのワーキンググループがこれまでに培ってきた知識・ノウハウを十分に活用するとともに、中期では沿岸環境評価ツールの開発を目指し、長期では、中期において開発されたツールを組み合わせることによって、NOWPAP参加国間で共有するための沿岸環境評価手法の確立を目指すことが確認されました。
  (4) ワーキンググループ改廃ガイドライン案の検討(19日)
   CEARACが今後ワーキングループを設置又は廃止するためのガイドライン案が事務局から提示され、若干の質疑ののち、合意されました。
  (5) 漂着ごみの実地調査(19日)
   岩瀬浜において海洋ごみの実施調査を「H19年度海辺の漂着物調査(NPEC主催)」と合同で実施しました。
  (6) 議事概要の採択・閉会(19日)
   2日間の話し合いの結果をまとめた報告書(議事概要)を採択して、会議は終了しました。